こんにちは。開発マネージャのAYです。
みなさんは「仕事ができる」ということに関してどのような考えを持っていますか?
今回は、私の考える業務目線(主にサービス業)における「仕事ができる」についてと、そこで考慮できたらいいなと思う点について書いていきたいと思います。
※あくまで私視点での話です。また、私自身も試行錯誤しながらこんな事考えてます、という例であって、「私は仕事ができる!」といっているわけではないですからね!
「仕事」とは
そもそも「仕事」とはなんなのか、皆さんはどんな認識を持っていますか?
1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。
https://kotobank.jp/word/%E4%BB%95%E4%BA%8B-73099
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。
3 したこと。行動の結果。業績。
仕事=「仕(つかえる)」事。仕事とは、基本的には「誰かに」「依頼された」ことを承諾して「仕える」事だと私は認識しています。
レストランで食事を出してもらい対価としてお金を払う、会社で労働をする対価として給与をもらう、発注者からの依頼を受けて何らかの作業を行う。いずれも商取引として、「誰かがやってほしいこと」に対して値段が付き、お金をもらいますね。会社経営者であれば、仕える相手は社会であり、社会のニーズを満たす事業を生み出すことで事業収益を得る、ということになるでしょう。
依頼者としては払うお金以上の価値があるからお金を払い、依頼される側はそれを行うことよりもお金を貰うことに価値が見いだせるから双方合意のもと取引を行う、という基本原則です。
無償で行われる奉仕活動についても、誰かの依頼(やってほしい事)に基づいています。
「仕事ができる」とは
そんな視点から、「仕事ができる」を考えてみると、「仕事ができる」かどうかは自己が評価できるものではなく、「依頼者にとってどうか」、という視点で考えるべきことであるのが理解いただけるのではないでしょうか。
QCD
QCDという言葉があります。生産管理や生産マネジメントでよく使われる用語です。
Q=Quality(品質)、C=Cost(費用)、D=Delivery(納期)です。
この3点を意識しながら仕事に取り組むことができていれば、きっと「仕事ができる」により近づけるのだと思っています。知らなかった方にとっては、こんな考え方もあるのだなと知る機会になればうれしいです。
Quality(品質)
Qualityに該当するものには、私が主に携わる開発、という分野においてであれば「機能を満たすこと」「不具合を出さないこと」などが挙げられますが、満たすべき品質とはどのように設定すればよいでしょうか。
基本的には「依頼者」が「想定」する「クオリティ」を満たせば良く、過剰な機能、品質を必要とするものではありません。
過剰に機能や品質を追いかければ、当然のことながら「コスト=(工数)」がかかり、「納期」が伸びます。
かっこよくて欲しいデザインの服なんだけど、高すぎるんだよね、などがそれに当たるかもしれませんね。
Cost(費用)
会社としては仕事を営利で行う以上、給与やその他管理コストを前提にして、かかる費用以上の対価を得て収益を上げる必要があります。これを行えない場合は会社として継続ができません。
特に開発においては、業務を発注する場合、稼働してもらった時間に対する対価として「人日(=1日稼働してもらうことにたいする費用)」を明確にしているケースがほとんとです。依頼の完了までに作業時間がたくさんかかる=コストが大きくなる、ということです。
依頼者が望んだ品質のものを望んだ納期で得ることに対して一定のコストが仕事をする側にかかり、それに対して利益を得られる形で依頼者に費用を支払ってもらう、ということになります。
Delivery(納期)
依頼にはかならず納期があるはずです。
飲食店にフラッとはいった際にメニューを選んだら、だいたい遅くとも30分以内には出てくるよねー、というのは暗黙でそのように認識している前提とも考えられます。
ちなみに、費用と納期はイコールではないことにも注意です。納期が1日しかない中でのコスト(1日)と、納期が2週間ある中でのコスト(工数)1日は、コスト自体は本来変わりません。
QCDのバランスと最適化
今回は、このQCDを通じて「仕事ができる」を考えていきたいと思います。
Qualityは、望まれたレベル以上のものが満たせればベストですね。思っていたよりおいしい料理が食べられたら、また来ようと思いますね。面白い映画を見たら、いい役者さんであればファンになり、いい監督であれば次回作を見るファンとなるでしょう。もちろん感動できるレベルで大きなプラスを生み出すこともできるかもしれないと最高のクオリティを目指すことも悪くないと思いますが、前述の通り過剰な品質は納期と費用の増大に繋がります。
飲食店を例に上げてみますが、同様に費用を最小化することだけを目指したら、もちろん例外はあるでしょうか、食事でいえば安っぽくてお客さんの満足を得られない(=クオリティを満たせない)ということもありえますね。また、手間暇をかけて一生懸命やっているけど、注文してからお客さんが想像していた3倍も4倍も(例えば注文してから2時間後に)料理にでてくるまでに時間がかかってしまったのでは、満足してもらえないケースになってしまうと思います。
品質、コスト、納期、それぞれは相互に関係していて、それらすべてを満たす(できれば軽く依頼者の想定を超えて”適切に”良い状態にする)ことが「仕事ができる」ということなのだと思います。
行動としてなにをするべきか
品質について
なにが要求されているのかを明確にしましょう。開発においては、という話でいうと、私は依頼者のリクエストを以下の3点に分類しつつ、なにを満たすべきか考えています
- 満たさなければいけないこと
- 満たしたほうが良いこと
- 満たしても満たさなくても良いこと
上記のうち、1を確実に達成し、コスト、納期の許す範囲で2を満たすことを目標にしています。
依頼者が何を求めているのか、正確に把握できていないのに望まれている品質を適切に超えることは不可能です。
コストについて
上司から依頼された仕事であれば、このくらいの時間をかけます、ということを可能であれば共有することが非常にいいことだと思います。上司としては2時間くらいでささっとやって欲しいと思っていた仕事に対して、2日間かけていたとしたら、本来上司が想定していたより8倍近いコストが発生することになります。なかには読めない仕事もあるでしょう。ただ、本来その業務にかけるべき時間がどのくらいの時間なのか、「時間単位」、「日単位」、「週単位」、「月単位」全く違います。どのようなコストを投下して実行すべき仕事なのか、依頼者がどのような費用で実現してほしいと考えているのか、温度感を把握しておくこともとても重要だと思います。
納期について
依頼されている仕事は、ほとんどがそれ単体で完結するものではなく、他の誰かが行っているものと組み合わせることで最終的な成果物となるケースがほとんどです。また、依頼者側では納期が明確に定まっていない、もしくは変えられるケースもあるでしょう。
ただし、基本的には納期は短ければ短いほど依頼者にとって嬉しいものです。
私は開発において依頼を受けた事項が特にクライアントの関係で納期が決まっていそうだな、という場合には「希望納期」と「絶対に守らなければ行けない納期」の2つを確認するようにしています。
「なるはや」なる言葉もありますが、「なるはや」は「希望納期で優先度を上げてほしい」という話で、人・内容によっては10分、また1時間のケースも、1日というのもあり得るでしょう。依頼者側から出てきた曖昧な言葉だけでなんとなく、わかったつもりで判断するのではなく、依頼を受ける側として確認できる範囲で具体的に把握しておくとより良いと考えます。
「納期・品質」と「コスト」の性質の違い
「納期、品質」は基本的に依頼者により決定されるべき「外部要因」といえます。
「コスト」は仕事を行う側により改善が見込める「内部要因」といえます。
外部要因は決定されているもの(最適な場所は本来定まっている)ものとして、それをできる限り適切に、正確に把握することが必要です。依頼者自身すら正確に把握できていないケース、間違っているケースもあるでしょうが、仕事をする側としてはそこまでも考慮にいれるべきでしょう(結局そこに基づき追って判断されることが多いです)。
内部要因はあなたの改善次第で変えられるものです。例えて言うなら「生産性」とも言いかえられるでしょう。コスト=内部要因で変化させることが可能な「生産性」として捉えていただければと思い、今回の記事のタイトルとしました。今回は「生産性」については記載しませんが、先に書いている以下の2記事を見ていただくといいかもしれません。生産性を上げることでコストを下げる=得られる利益を増やす、ということに繋がります。会社に属している個人であればこれが評価、査定につながってくることになると思います。
最後に
まとめです。「要求されている達成内容」、「いつまでにやるべきか、やららなければいけないのか」をできるだけ正しく把握し、その中で自分の生産性を最大限上げる(無策に頑張る、ただ働く時間を増やす、というのではなく、効率的に行うということ)ことが非常に重要と感じます。
みなさんは、今より倍の生産性(成果)を達成するにはどうしたら良いか、という視点で考えたことはありますか?仕事によっては難しいケースもあるでしょうが、個人で、チームで、倍の生産性を上げる!!!!という視点に立って業務にあたってみるのも面白い取り組みだと思います。
ただし、ずーっとそんなことばっかり考えていると疲れてしまうし、方向性がぶれてしまうかもしれません。なので私は1ヶ月に1週間くらい、そういった視点で見つめ直しながら業務改善の目線をもつ期間を設定して仕事に取り組むことにしています。
「なんとなく仕事をしている」という状態になっている方を対象に、「意識していい仕事を目指す」に変わるきっかけになればと今回はこんな話を書いてみました。具体的な誰かを対象としているわけではなく、いつかのだれかのために。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
「なんとなく仕事をしている」方の中でだれか1人でも前向きに仕事に取り組むきっかけになり、そんなだれかの人生が豊かになることを心から願って
Luke, you’re going to find that many of the truths we cling to depend greatly on our own point of view.
我々が考える真実のほとんどは自分の見方で変化する。
(オビ=ワン・ケノービ)
文:開発部AY