開発部の OY です。
最近、社内でも「デザイン業務をどこまでAIで置き換えられるか?」という話題が増えています。
UI変更や機能追加が定期的に発生するプロダクトでは、企画から実装までのスピードとデザインの一貫性が重要です。
今回は、2025年11月時点で実用レベルにある「AIデザイン支援ツール」たちを活用し、
“デザイナー工数を最大限効率化する”理想のワークフローをどう構築できるかを検討してみました。
1. 既存のプロダクトをAI運用の基盤に載せ替える
現時点ではデザイン業務をAI運用で対応するためにはFigmaの利用が事実上必須となっていますが、Figma上で構成されていないデザインファイルによって成り立つ既存プロダクトも多くあります。このような状況では、外部プラグインでwebサイトや画像データからFigmaデータを起こすことを考えます。
まず注目は、Builder.ioの「Visual Copilot」。
なんと既存のWebページをURL指定だけでFigmaにインポートし、編集可能なデザインファイルに変換してくれます。
つまり「一般的な生成方向のAI技術とは逆方向(HTML→デザイン)」が実現します。これによって既存のWebサービスでもスムーズにAI運用基盤へと載せ替えることが可能になります。
さらにAIに「もっとモダンに」「可愛らしく」などプロンプトで指示すれば、複数のデザイン案を自動生成。
気に入ったものを選んで修正し、Figma上からReactやHTML/CSSコードをそのまま出力することも可能です。
Figmaをすでに導入しているチームなら、追加コストはほぼゼロ。
2. 企画段階のスピードアップを図る
ラフや企画段階では、テキストからUIを自動生成する系ツールが効果的。
たとえば「投稿画面。タイトル入力欄と本文エリア。シンプルな構成で」と指示すれば、数秒でUIモックが生成されるようなサービスもあります。
- Codia AI … Web→Figma変換+プロンプトUI生成+Figma→コードまで一括対応
- Galileo AI … “テキスト→Figmaデザイン”に特化。プロトタイプ量産向け
月額$20〜40程度で利用でき、チームのブレストや試作スピードを劇的に向上できます。
3. Figma公式AIをベースに実装を加速させる
Figma自体もAI統合が進んでいます。
最新の「Figma Make」では、プロンプトからレイアウトを生成し、
「Figma Sites」ではデザインをそのまま公開可能なHTML/CSSサイトとして出力できます。
これにLocofyやAnimaなどの“デザイン→コード”ツールを組み合わせれば、
デザイナーがFigmaでデザインした瞬間、実質的にUIコーディングは終わったようなものです。
まとめ
AIを活用したデザイン自動化の波は、すでに「構想」から「現場運用」フェーズへ。
特にUI変化が多いWeb領域では、
AIが生成・整形し、人が最終承認するという役割分担が最適解になりつつあるのかもしれません。
最初は「Figma+Visual Copilot」から。
デザイナーが「考える仕事」に集中できる環境を、AIで整えていきましょう。
文:開発部 OY