開発部ＫＫです。Windowsに備えられているWSLは、ほとんど完全なLinux環境がお手元のWindows上で実行できる、とても強力なツールです。これにより、Linux環境をWindows上でネイティブに実行することができ、開発者や技術者にとって非常に便利です。同一マシン上で実行しているのだから、簡単にファイルのやり取りができるともっと活用の幅が広がります。今日はファイル共有の方法について書いてみようと思います。 ExplorerからWSLにアクセスする方法 WSL環境にアクセスするための最も簡単な方法の一つは、Windows Explorerを使用することです。以下に、その手順を説明します。WSLのディストリビューションはUbuntuを例に使用します。 １．Windows Explorerの起動スタートメニューから「エクスプローラー」を選択するか、WindowsキーとEキーを同時に押すことで行えます。 ２．アドレスバーにWSLのパスを入力エクスプローラーのアドレスバーに以下のパスを入力します。 \\wsl$\Ubuntu\ ３．WSLファイルシステムの表示上記画像のようにWSLのファイルシステムが表示されます。これで、通常のWindowsファイルと同様にファイルを参照したり、コピーしたりすることができます。 なお、\\wsl$\とだけ入力するとインストールされているディストリビューションがすべて表示されます WSL bashからWindowsストレージにアクセスする方法 次に、WSL bashからWindowsストレージにアクセスする方法について説明します。これにより、Linux環境から直接Windowsファイルにアクセスし、操作することができます。 １．WSL bashの起動まず、WSL bashを起動します。これは、スタートメニューから「Ubuntu」や他のディストリビューション名を検索して開くか、コマンドプロンプトやPowerShellでwslコマンドを入力することで行えます。 ２．Windowsドライブのマウントポイントを確認例えば、WindowsのＣドライブは、/mnt/c/となりますので、以下のようにします。 cd \mnt\c\ ３．ファイル操作これで、通常のLinuxコマンドを使用して、Windowsドライブ上のファイルを操作できます。たとえば、ディレクトリをリスト表示するには以下のようにします。 ls のように、Windows ExplorerとWSL bashを使って、WindowsとLinuxのファイルシステム間でシームレスにアクセスし、操作することができます。 最後に Windowsのツールは直感的な操作ができて、また普段使い慣れているので便利ですが、スクリプトによる定型処理を記述するには多少面倒な準備が必要だったりすることがあります。そこをWSLを通じてLinuxのスクリプトを使うことで補うと便利に使えると思います。 次回は、実際のスクリプトの活用術など紹介できればと思います。それでは、また。 文：開発部ＫＫ