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誤謬(ごびゅう)

開発部AYです。今回は誤謬(ごびゅう)について書きたいと思います。
業務中に色々な検討を行うことはとても多いと思います。できる限り正しい情報を元に正しく予測、仮説を立て、結論を導きたいところです。
誤謬について把握しておくことで、論理的な思考のためのアンチパターンを知ることができ、誤った結論を避けることができるかも知れません。

誤謬とは

誤謬
論理学における誤謬(ごびゅう、英: logical fallacy)は、論証の過程に論理的または形式的な明らかな瑕疵があり、その論証が全体として妥当でないこと。つまり、間違っていること。意図した論述上の誤謬は「詭弁」と呼ばれる。論証において、誤謬には「形式的」なものと「非形式的」なものがある。
(中略)
人間が誤謬に陥るのは、それ一面もっともらしさを持っていることによってのみで、ウソでも、デマでもそれがデマであり、ウソであることを知っていて信ずる者はいない[3]

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%A4%E8%AC%AC

これだけ見ると「なんのこっちゃ?」となってしまいますので、具体的に見ていきましょう。誤謬は言い換えると、ウソ、デマ、詭弁(きべん)などが該当します。

「形式的」と「非形式的」

「誤謬には「形式的」なものと「非形式的」なものがある」ということですが、この2つは分類です。
形式的:論理式で表せるもの
非形式的:論理式で表せないもの

分類としてはその程度の認識でよく、これの分類を覚えることよりも中身の把握が大事です。

では、よくありがちな分かりやすいものをリストアップします。

形式的誤謬

以下のようなものが形式的誤謬です。2つだけ記載します。もっと知りたい方はwikipedia等確認してみてください。

後件肯定

もし P ならば Q である。Q である、従って P である

もし魚ならひれがある。この生物にはひれがある。従って魚である
⇨クジラは該当しません

選言肯定

A または B である。A である、従って B ではない

ゴッホは天才または狂人である。ゴッホは天才である、従ってゴッホは狂人ではない
⇨「天才または狂人である」という前提は「天才かつ狂人」という内容を排除した不足があり得る。

非形式的誤謬

私の感覚からすると、こちらの方がよくありがちに思います。こちらも5個ピックアップします。

早まった一般化

十分な論拠がない状態で演繹的な一般化を行うこと。「1, 2, 3, 4, 5, 6はいずれも120の約数だ。よってすべての整数は120の約数である
⇨結構ありがち

誤った二分法

選択肢をいくつか提示し、それ以外に選択肢がないという前提で議論を進めること。例えば、多重債務者の「このまま借金取りに悩まされる人生を送るか、自殺するか、二つに一つだ」という思考。
⇨あるある。選択肢はちゃんと全部出しましょう

間違った類推

重大な相違を無視して事象の類似性に基づいて論証(類推)すること。「酒とコーヒーは似たような嗜好品だ。飲酒は法律で規制されている。よってコーヒーを飲むのは法律で規制されているはずだ。」
⇨似ている、の内容によりますね

論点先取

結論を前提の一部として明示的または暗黙のうちに使った論証。形式的には間違っていないが、結論が前提の一部となっているため、全体として真であるとは言えない。「彼は正直者なんだから、ウソを言うわけないじゃないか」。
⇨彼は正直者、ということについての是非は分かりませんね

連続性の虚偽

術語の曖昧性により常識的な認識とのズレが生じる誤謬。「砂山のパラドックス」、「テセウスの船」とも。「砂山から砂粒を一つ取り出しても、砂山のままである。さらにもう一粒取り出しても砂山である。したがって砂山からいくら砂粒を取り出しても砂山は砂山である」。
⇨これは結構有名なやつです

多重質問の誤謬

質問の前提に証明されていない事柄が含まれており、「はい」と答えても「いいえ」と答えてもその前提を認めたことになるという質問形式。「君はまだ天動説を信じてるのかね?」という質問は、「はい」でも「いいえ」でも「過去に天動説を信じていた」という暗黙の前提を認めたことになる。
⇨揚げ足とりに使えそう

まとめ

今回は「誤謬」について記載してみました。

論理的に話を進めないと、誤った結論が導き出されてしまいます。
仕事を進める上では答えを出すために十分な情報がない中で結論を出さなければならないことが多いですが、だからといって
「ここが十分にわからないのだからここだってこれでいいだろう」
はダメですね。

  • 自分が考えている論理が正しいか
  • 自分が聞いている話が論理的か

両方の視点から見ることが重要です。十分な選択肢、例外の考慮も必要です。

あまりに意識しすぎて仕事が進まなくなってしまうのは問題ですが、大概の場合、「あれ?なんか違う気がする」と思えるケースが多いです。
もしも気になったことがあったら、振り返ってこういった情報と照らし合わせると、より正しい結論に至れるのではないでしょうか。

文:開発部AY